気温が下がってくると、やはり気になるのが体の「冷え」ですよね。
色々な冷え性対策を実践される方も多いのではないでしょうか?
対策の方法としては、大きく分けて2種類あります。
・外気の低温から体を守って、内側からの熱を逃さない「外側」からの方法。
・内側で冷えを生み出すものを避け、中から温まるもとを取り込む「内側」からの方法。
外側からの対策は、暖房、衣服、寝具などの工夫で比較的簡単に実践することができますが、意外と難しいのが「内側」からの対策です。
中でも、食べ物や飲み物は、冷えの体質を作るか、温まる体質を作るか、に大きな影響を与えるということはわかっていても、見た目ではその違いが分かりづらいものも多くあります。
冷えを作りやすい食べ物・飲み物は分類して覚えることで、日常生活の中で簡単に判断ができるようになります。
冷やす食べ物か?
温める食べ物か?
代表的なものを確認して、体質を上手に整えていきましょう。
マクロビオティックの陰陽理論で冷えの原因をチェック
マクロビオティックでは、食べ物、飲み物、体質など色々なものを「陰陽理論」でみていきます。
陰陽理論では、この世のものは全て「対になっている」「反対の性質を持つ」として、そのどちらに傾き過ぎてもバランスが悪いとしてます。
そして、どちらかに偏ることなく間のバランスが取れたところを「中庸」といい、心も体もこの中庸に整えることで安定した心地よい健康な状態となるとしています。
例えば、体温も上がり過ぎても下がり過ぎても調子が悪く、間のいわゆる平熱近くが心地よく過ごしやすいですよね。
水分も、多過ぎれば浮腫んで、少なすぎれば脱水症となりますので、やはりバランスの取れた水分量に保つことで健康に過ごすことができます。
「冷やす・温める」というこの対の性質では
・温める → 陽性
・冷やす → 陰性
・温め過ぎず冷やし過ぎない中間 → 中庸
ということになります。
この食の「陰・陽」を意識するだけで、冷えづらく温まる体質を作ることができるようになります。
体を温める「陽性」の食べ物とはどんなもの?
ではここで、体を温める陽性の食べ物、飲み物、そして陽性にする料理法について見ていきましょう。
陽性の中でも、とても陽性が強い状態を「極陽性」といいます。
極陽性の主なものは
・塩
・動物性のもの(肉、魚、卵)
この2つです。
どちらも体を温めてくれるのですが、その力が強すぎることから、あまり多く摂りすぎないよう注意が必要なものになります。
体が陽性に傾きすぎると、熱をこもらせたり、詰まらせる状態を起こしやすくなります。(マクロビオティックで、動物性のものは多く摂りすぎないよういわれる理由の1つです。)
特に塩は、摂りすぎに注意しつつも、上手に取り入れることが大切です。
塩だけではなく、醤油、味噌、梅干しなどの塩系の調味料も体を温めてくれますので、身体が冷えている時には朝のコーヒーをやめ、味噌汁に変えてみることをおすすめします。
また、「穏やかな陽性」のものは、季節に合わせて日々のお料理に取り入れるのがおすすめです。穏やかな陽性の食材の代表的なものは
・ごぼう、人参、蓮根などの根菜
・あわ、きび、ひえなどの雑穀やそば
・ほうじ茶、三年番茶、タンポポ茶などの飲み物
さらに、食材を選ぶだけでなく「陽性にする料理法」を使うという方法もあります。
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・茹でる、蒸す、焼く、など加熱をする
・日に干す(太陽の熱と乾燥の力で陽性化、干し野菜など)
・塩分で漬け込む、塩を含ませる(漬物、塩もみ、煮て味付けするなど)
・圧力をかける(圧力鍋で煮るなど)
このように、料理を陽性にして食べるためには、食材を選ぶこと、料理法を選ぶことの2つを上手に組み合わせることで実践することができます。
冷え対策の効果的な食事法とは?
冷えない食べ方として大切なことは、温まるものを食べること。
実はこれは特に意識をしなくても意外とできていることでもあります。
例えば、秋冬には自然と「加熱」をして食べることが増えますね。豆腐を食べるにしても、夏には冷奴で、冬には湯豆腐というように料理の方法を変えています。
また、夏野菜と根菜などの秋冬野菜を比べると、夏野菜の方が体を冷やしやすく(陰性)、根菜の方が体を温める働き(陽性)がありますが、寒い季節には自然と根菜を煮たり炒めたりして食べることが増えます。
これも、私たちが無意識にしている体を温める方法の1つです。
このように、寒い季節には「食材を加熱して温かくして食べる」「旬の秋冬野菜(根菜)を食べる」ということを私たちは当たり前にように実践していますので、「温まるもの」は既に取り入れられている場合がほとんです。
味付けについても、暑い時ほど甘めの味や酸っぱい味、寒い時ほど塩気の味付けになっていることが多いですね。
では、その他何に気をつけた方がいいのでしょう?
それは、「体を冷やすもの」をできるだけ体に入れない、ということです。
実は、「体を冷やすもの」は、季節を問わずに私たちの食生活の中に広がっています。
意識をしない限りは、知らないうちに沢山の「冷えの素」を食べたり飲んだりしてしまっていることになります。
温める食べ物だけでなく「体を冷やすもの」もしっかりと確認して、普段の食生活で多く摂りすぎていないかチェックしてみましょう。
冷えを作る「陰性」の食べ物は多すぎていませんか?
ここまでで、体を温める「陽性の食品」「陽性の食べ方」を簡単にみてきましたが、次は体を冷やす「陰性の食品」「陰性の食べ方」についてのお話です。
陰性の食べ物・飲み物の中でも、特に陰性の力が強い「極陰性」のものを見ていきましょう。
白砂糖、その他吸収の速い糖、甘いお菓子、果物
塩や塩系調味料とは逆に、甘みをつけるための「甘味料」は全て陰性が強く体を冷やします。特に白砂糖などの吸収の速い糖は、甘味料の中でも陰性が強いものになります。
また、
南国のもの、夏に作られるもの
暑い地域、暑い季節に育つものや作られるものは、その多くが陰性です。
酸味もの・辛味のもの
酢やレモンなどの酸味のもの、唐辛子やワサビなどの辛味のもの全般。(暑い季節に酸っぱい味が美味しく感じるのは、体が自然と冷えを求めているからです。)
カフェイン
カフェインそのものが陰性です。お茶類でも、カフェインが多いものほど陰性が強いものとなります。緑茶、ウーロン茶、紅茶などのお茶類やコーヒーだけでなく、ココアなども含まれます。
アルコール
アルコール自体が陰性ですので、カフェインと同様に多く含まれているお酒(度数の高いお酒)ほど冷やしやすいものとなります。
油
油は、どれも陰性の強いものです。(油で炒める、などでは油を介して高温がかかるので陽性化する料理法となります。)
化学合成のもの
化学調味料や人工甘味料など、化学物質の合成でできたものは陰性になります。
さらに、冷やしやすい「陰性の料理法」も見ていきましょう。
・生で食べる(ジュースやスムージーも含む)
・冷やして食べる
・砂糖で味付けをする
・酸味や辛味などで味付けをする
こうした料理法では、その食材をより陰性に傾けて食べることになります。
同じ人参を食べるにしても、サラダで食べるか、茹でて食べるかで、体の冷やしやすさが変わってくるということです。
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ひと昔前のように、その土地のその季節ものを、過度な精製もせずに丸ごと大切にいただいていた時には、自然と陰陽のバランスはとれていました。
ですが、現在の日本では、海外のものや季節外のものも当たり前になり、精製されたものを多様な味付けで食べることも増えました。
そのため、それらを意識していないと、知らず知らずのうちに自ら「冷えやすい食事」を選んでいるということになります。
もちろん、食は楽しみであり心の潤いでもあります。メリハリをつけて、賢く「陰陽」を取り入れながら冷え性対策をしていただけらと思います。
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