お祝いや送別など様々なイベントで、相手に何か贈りたいと考えるけれどなかなか思いつかず時間切れ。。。。。「形が残らないものを贈るのが一番あと腐れなくって楽でいいだろう」と、お花屋さんに”まるっと、おまかせ!”していませんか?
いつか花は枯れてしまうけれど、贈られた側にとって花を贈ってくれた人の記憶は、その花と共に半永久的に残ります。
例えば、あなたがある人にうっとりするような気品ある佇まいと香りを漂わせるカサブランカを贈ったとしたら。
「あの時、あの人がとっても素敵なカサブランカを贈ってくれたわね!」と贈られた人はカサブランカを見る度に、香りを嗅ぐ度に思い出し、あなたは”カサブランカの人” と呼ばれているかもしれませんよね。
私の長年の経験からすると、花を贈り慣れていない人が日本人には多く、その季節にある花の名前がわからず、花屋を訪れてもしどろもどろしてしまう方や相手の好きな花がわからないから適当に選んでくださいというパターンがとても多く、少し悲しく感じることがあります….
以前私が住んでいたパリでは、殆どの人が花を贈り慣れていて、貰い慣れていました。週末には街のお花屋さんの店先に行列ができるほど。
留学中にその光景を目にし、大きなカルチャーショックを受けました。芸術の都と呼ばれ、生活芸術の国と言われるゆえんはこういった日々の生活習慣にも現れるのだと納得したものです。
パリジャン・パリジェンヌに学ぶ、花贈り
いちフラワーアーティストとしての想い。。。花を買う時には、パリジャン・パリジェンヌのようになろう!と声を大にしてお伝えしたいところですが、花に詳しくなくても ”贈る相手を喜ばせたい!”、”感謝の気持ちを伝えたい” その気持ちだけあれば素敵な花贈りができるという事をパリジャン・パリジェンヌを真似て、知っておいて欲しいなと思います。
例えば、発想をもっとクリエイティブにしてみる。
クリエイティブになってみることは、花を贈る事だけに限らず、人生全般に面白みを持たせ、よりステキな変化をもたらすことと言える事のではないでしょうか。
家事をこなす事にしてもちょっとしたクリエイティビティーが試されます。ビジネスの世界では尚の事、クリエイティブである事が質の高いサービスに繋がります。では、クリエイティブな発想でフラワーギフトを贈るとは、どんなプロセスになるのでしょう。
相手の世界観を花で表現する
花を贈る時、その前にまず”相手の世界観を知る事”が重要です。
花を知らないからではなく、相手を知らないから花が選べない場合が多いです。家族構成、どこに住んでいるかなどは基本ですが、どんな服装をしていて、趣味や食べ物の好み、話し方などの情報を断片的に拾いながら自分なりにその人に似合いそうな花を思い浮かべてみます。そして、その人の持つ雰囲気に花のイメージを重ねる。
この時、正解などないので、自由にイメージを遊ばせてみるといいでしょう。
特に女性は、自分を花に例えられたら、嬉しいですよね!そして、自分の事を想いながら花を選んでくれたというその行為に感激しない訳がないと思いませんか?!
特に「春」、今の季節なら、花の色も種類も豊富で見ているだけでも楽しくなります。
花を贈る時の具体例
では、花を贈る時の具体的な例を見てみましょう。
例えば、年配の落ち着いた女性に、柔らかな甘い気品が漂うパープル系のスイートピーはいかがでしょう。
女性はいくつになっても、ひらひらとした可愛らしいものが好きです。ただ、明るいピンクではちょっと部屋に飾るのに気恥ずかしい感じがするかもしれません。その場合は、品の良いパープルで統一します。一般的にご年配の方は、パープル系の花を好む方が多いです。
また、チューリップも可愛らしいイメージばかりでなく、大人っぽいシックなものもあり、他の花を混ぜなくとも存在感があります。
いつも元気いっぱいのアクティブな女性には、春の陽だまりの様なミモザとゼンマイを合わせるのもいかがでしょうか。ダイニングテーブルの上で一日のスタートを優しく見守る様に。
おすそ分けで、よりクリエイティブにより喜ばれる花贈り
ご自宅に大きなミモザの木のある奥様で、毎年春になるとそのミモザを家中に釣り下げてドライフラワーを作る知人がいます。
それらが半ば乾燥した頃に、小さな黄色い花だけを摘み、ドーナツ型に形成し、それを額に入れるという洒落たオブジェを作り友達にプレゼントする事を毎年の恒例行事にしていたそうです。ところが、今年は20数個もの注文が来て大変大忙しだったと嬉しそうに微笑んでいました。
まさに、作って、楽しく贈って、喜ばれる「幸せのスパイラル」ですよね。
花贈りは、一人で完結できない世界です。贈る側と贈られる側の間にある精神的な距離を少しずつ少しずつ縮めて行き、それが重なり合った面積をどんどん広げる事で感動が生まれます。ですから、相手の事を全く知らない他人に(お花屋さんなど)丸投げするのはある意味、とても残念で、勿体ない事です。
「感動を生むチャンスを手放さないで欲しい。」とこれは作り手(フラワーアーティスト)としての想い。
ある日パリの公園を散歩していた時の事。
美しい花々が咲き乱れている光景を目の前にして、私が思った事は「ひとりで見るのはなんて味気ないのだろう…」。同じ景色を見ながら一緒に感激しあう誰かの存在が欲しいとあんなにも強く思った事はなかった。幸福って「なる」ものではなく「感じる」ものだと気づいたのです。
幸福を感じる瞬間を与えられる人は、より深い幸福感に満たされることでしょう。
そしてそれを又誰かと分かち合う…..そうして幸せのループは途切れる事なく広がって行く。。。。
幸せのループの中、幸福感に満たされ包まれている花もきっと幸せでしょう。花贈りをするとき、あなたのクリエイティブな発想がこんなにも回りを幸せにしてしまうのです。
少しのイメージ力と少しの勇気があれば、素敵なセレンディピティーライフがきっと、手に入ります。そう思いませんか。
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